何の気なしにタイヤのことを検索していたら、ミシュランから新しいタイヤが出ていた。EVやハイブリッド車向けのタイヤ。EV向けって何だろうと詳細を見ると、「優れた静粛性により、モーター走行時においても快適な運転環境を実現」と記されている。なるほど、モーター走行はエンジン走行よりもロードノイズが目立ちやすい。これに応じたタイヤとは興味深い。
EV車向けの需要
なるほどと思ってしまった。エンジン車はエンジン音がするので、タイヤからくる音は打ち消される部分がある。一方で、エンジンを持たないEV車はモーターだけなのでタイヤからくる音が際立ってしまう。これに対応すべく登場したのが、EV車向けタイヤなのだろう。これまでなかった新しい需要だし、EV化に向けた動きがタイヤまで進んでいるのは感心した。
MICHELIN E·PRIMACY
ミシュランのHP表記は、ミシュラン史上最高の低燃費性能を誇る プレミアムコンフォートタイヤとある。コンフォートタイヤであるPRIMACYシリーズ。ミシュランの各タイヤには「◯◯◯」を目指してというねらいが記されている。PRIMACY 4が「最後まで続く安全」を目指してとウェット ブレーキング性能の表記が強調されているのに対して、E·PRIMACYは「最後まで続く環境性能」を目指してと低燃費性能が強調されている。E·PRIMACY特徴の見出しは3つ。
- 転がり抵抗性能「AAA」を達成した低燃費性能、
- 優れた静粛性により、モーター走行時においても快適な運転環境を実現、
- 偏摩耗と急激な排水性能低下を抑え、安心感が長く続く
興味があるのは、2の実現に採用された「サイレント・リブテクノロジー」。
「サイレント・リブテクノロジー」
接地面における接地部分と溝部分の比率が常に一定になるように設計。タイヤパターンから発する音圧を一定にし、優れた静粛性を実現。
実際に装着した車に乗っていないので想像だが、PRIMACY 4よりは静粛性が高いのではと思う。PRIMACY 4は80km/h以上のスピードで高音が気になったのだがこれが抑えられているのではなかろうか。体験する機会が欲しい。
MICHELIN PILOT SPORT EV
ミシュランのHP表記は、ドライビングの愉しさも環境性能も妥協しない、革新的スポーツEV・スポーツハイブリッド専用タイヤとある。スポーツタイヤであるPILOTシリーズ。PILOT SPORT 4Sがサーキットでも「最後まで続く走る愉しみ」を目指してとあるのに対し、PILOT SPORT EVはPILOT SUPER SPORT・PILOT SPORT PS2・PILOT SPORT 4と同じ「最後まで続く走る愉しみ」を目指してだった。PILOT SPORT EV特徴の見出しは4つ。
- スポーツEV・スポーツハイブリッド車の性能を余すことなく引き出す高いグリップ力で、走りを愉しむ
- スポーツタイヤでありながら、転がり抵抗性能「AA」の高い環境性能
- 優れた静粛性により、モーター走行時においても快適な運転環境を実現
- 偏摩耗を抑制し、ロングライフ性能を確保
興味があるのは、3の実現に採用された「アコースティックテクノロジー」。
「アコースティックテクノロジー」
タイヤの内側に貼り付けられた専用設計の特殊フォームによって、路面状況の変化や凸凹した段差、道路のつなぎ目を乗り越える際に発生するノイズ(空洞共鳴音)に有効に作用します。これによりドライバーと同乗者に快適な車内環境を提供します。また、ノイズが減少することでロングドライブでの疲労軽減につながります。
このタイヤも履いて走ったことがないので想像だが、PILOT SPORT 4Sよりも静粛性が高いのではないだろうか。サイドウォールの文字もプレミアムタッチデザインが採用されていて素敵だ。
BMW Active Hybrid 3のモーター走行では気にならないが
Active Hybrid 3はその名の通りハイブリッド車。モーターのみ走行のときに、もう少しタイヤが静かだったらと感じることはない。ブリジストンのS001 RFTがよくできているのもあるが、走行スピード80km/h弱までしかアクセルを踏んでだと実質モーターのみで走行できたことがない。もちろん、80km/hを超えてもアクセルから足を話せばコースディングでエンジンOFFの状態で走れる。これらの状態で、ブリジストンのS001 RFTに対して不満を覚えたことはない。でも、さらに静粛性が高いタイヤがあれば次回の交換候補になり得る。まあ、次回のタイヤ交換は当分先にはなるし、ランフラットタイヤであることが条件になる。BMW F30はランフラットタイヤで設定されているし、その有り難みは実感している。
現在ALPINA B3S E46はブリジストン レグノ
昨年2020年7月にブリジストンREGNO GR-XⅡに交換した。交換してから既に10,000km以上走行している。交換前のパイロットスーパースポーツ4ではある程度の時間を運転していると、ゴーというロードノイズで耳がジーンとしていた。ブリジストンREGNO GR-XⅡではこのゴーという音から解放された。また、全体的にマイルドになり、乗り心地が向上した。
「コンフォート>スポーツ」が好みなのは変わらず
今回、新しくミシュランから出たEV向けタイヤは、何となく好みである「コンフォート>スポーツ」に通じるのではないかと想像。なおランフラットタイヤではないので、ALPINA B3S E46に当てはめて考えてみる。ブリジストンREGNO GR-XⅡに不満はないのだが、強いて言えば「急なカーブだと、ほんの少し踏ん張りが足りない」ことだけ。
MICHELIN PILOT SPORT EVに期待
静粛性はREGNO GR-XⅡに肩を並べるタイヤはなかなかないと思う。もし、MICHELIN PILOT SPORT EVが静粛性と走行性において以下の条件に当てはまるのであれば次の交換候補に入れたい。
- 静粛性:REGNO GR-XⅡ > PILOT SPORT EV > PILOT SPORT 4S
- 走行性:PILOT SPORT 4S > PILOT SPORT EV > REGNO GR-XⅡ
2022年1月現在では、PILOT SPORT EVは5サイズのみ。
- 255/45R19 104W XL ACOUSTIC
- 235/45R20 100V XL ACOUSTIC
- 255/40R20 101V XL ACOUSTIC
- 255/35R21 98W XL ACOUSTIC
- 275/35R21 103W XL ACOUSTIC
来年以降ALPINA B3S E46タイヤ交換までサイズ展開の期待とともに、機会があればPILOT SPORT EVが装着された車に乗ってみたい。
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